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愛知県豊橋竹内産婦人科医院への家宅捜索に関する
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| 愛知県豊橋竹内産婦人科医院への家宅捜索に関する愛知県医師会・愛知県産婦人科医会の見解 |
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平成18年11月7日 愛知県医師会 愛知県産婦人科医会 愛知県豊橋竹内産婦人科医院への家宅捜索に関する 横浜の堀病院に続いて,愛知県豊橋市竹内産婦人科医院においても、保健師助産師看護師法(保助看法)違反被疑事件により警察官30名にも及ぶ家宅捜索が行われたことに対し大変な衝撃を覚えた。そこで,愛知県医師会,及び愛知県産婦人科医会において、以下のとおり声明する。 「分娩医療機関が激減し、助産師の絶対数が極端に不足、偏在している状況を十分考慮し、看護師の内診問題に関し,警察の医療機関への家宅捜索などが2度と行われないよう、国民とともに安全なお産を守るために、断固抗議する。」 産科要員(医師,助産師,看護師,及び准看護師)の減少をはじめとする過酷な産科医療の現場を無視したこのような警察権力の介入は、産科医療の崩壊に一層の拍車をかけるものであり,その結果、分娩取扱施設は益々減少し、分娩難民が出現するなどの重大な混乱が待ち受けていることを考えなければならない。 医師法17条では「医師でなければ、医業をしてはならない」と定められており、助産は紛れもなく医業そのものである。医師法17条の例外として,保助看法第3条において、助産師を,「厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じょく婦若しくは新生児の保健指導をなすことを業とする女子をいう」と定義し,同30条で「助産師でなければ、第3条に規定する業をしてはならない、但し医師法の規定に基づいてなす場合は、この限りではない。」と規定している。さらに,保助看法5条、6条では、看護師、及び准看護師は、「診療の補助」を行うことが認められている。 したがって、助産師には保助看法第3条、第30条により医業の一部である助産行為を行うことが認められているが、医師が行う分娩介助に関しては、看護師及び准看護師が、医師の指示のもとで診療の補助として医師の指示の範囲内で子宮口開大の計測等の補助行為(注)を行うことは可能であると解釈することができる。 保助看法には助産についての定義はなく、また内診の文字すら見当たらないなか、昭和23年に制定されて以来、50年以上の長きにわたり厚生労働省は看護師及び准看護師による内診を診療の補助行為として認め、あるいは黙認し、何事もなくこの法律の下に粛々と産科医療がとり行われてきたという経過がある。その間、大多数の分娩は、自宅分娩から施設分娩で行われるようになり、分娩を担当する医療従事者も産婆(助産師)から医師(産科医)に取って代わったにもかかわらず,保助看法は半世紀以上も抜本的な見直しが行われておらず,時代にそぐわない点が多数存在する。 保助看法を解釈するにあたっては,保助看法制定当時の医療情勢,医療水準と現在の医療情勢,医療水準は著しく異なっており,現代の医療情勢,医療水準に則して行わなければならない。 現代の産科医療においては、医師、助産師、看護師、及び准看護師の相互の協力なくして成り立たない。我が国が,周産期の母体死亡率の低さなど,世界のトップレベルにある産科医療を提供できるようになったのは,超音波診断装置や分娩監視装置をはじめとする種々の機器や検査の導入とともに,産科要員(医師、助産師、看護師、准看護師)の弛まざる努力によるものである。医師個人が,24時間365日妊婦の経過を観察することは不可能である。医師の指示により,助産師,看護師,及び准看護師に経過観察の一部を担当させることは必要不可欠である。日本産婦人科医会は、分娩1期において、医師の指示のもとで看護師、及び准看護師が診療の補助として行う子宮口開大の計測は、保助看法3条に違反しないという解釈論を主張してきた。愛知県医師会,及び愛知県産婦人科医会は,この日本産婦人科医会の見解を支持するものである。 今回の家宅捜索の根拠となった医政局看護課長通知は、当時の厚生労働大臣の決裁がないまま看護課長一個人の法解釈で発せられたものである。しかも産婦人科専門集団である医師会、産婦人科学会、医会には何らの事前協議も行われていない。看護課長通知が発せられた後に、「医療安全の確保に向けた保健師助産師看護師法等のあり方に関する検討会」において議案とされ、その「まとめ」においても両論併記とされたことは、看護課長通知の解釈に疑義があることを裏付けるものである。 看護師、及び准看護師による子宮口開大の計測の評価については、複数の解釈論が対立し,確定的な見解が得られていない。前記「医療安全の確保に向けた保健師助産師看護師法等のあり方に関する検討会」において検討中であるにもかかわらず,看護課長の解釈に依拠して、一方的な警察権力の介入を行うことは、まったく不当なものと言わざるを得ない。 産科医の減少とともに、看護課長の解釈にのみ依拠して、医療機関に対する捜索差押等の警察権力の介入を行うことは、産科医療の現状を省みることのない不当な対応であり、産科医療に対する抑止効果は大きい。このような事態が続けば、産科医療の崩壊は一層加速し、多くの診療所・私的病院での分娩は困難となり、とくに地方においては半数以上の分娩が立ち行かなくなり、多くの妊婦に無用の不安をあたえることは必至である。この国の国是とする少子化対策とは真っ向から反するものである。 以上より、愛知県医師会,及び愛知県産婦人科医会は,分娩医療機関が激減し、助産師の絶対数が極端に不足、偏在している状況を十分考慮し、看護師の内診問題だけで警察の医療機関への家宅捜索などが2度と起きないよう、国民とともに安全なお産を守るために、断固抗議する。 (注)は「介助」から「子宮口開大の計測等の補助行為」に文章を訂正しました。2006/11/9 |
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