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愛知県警の家宅捜索ならびに書類送検に対する
茨城県医師会・産婦人科医会の抗議

 

 


愛知県警の家宅捜索ならびに書類送検に対する茨城県医師会・産婦人科医会の抗議

保健師助産師看護師法違反容疑による警察の家宅捜査および書類送検に断固抗議する

2006年10月20日 茨城県医師会会長    原中勝征
茨城県産婦人科医会会長 石渡 勇

 今般の豊橋市竹内産婦人科医院における愛知県警生活経済課による保健師助産師看護師法(以下、保助看法)違反容疑での、警察官30名にも及ぶ家宅捜索および同課と豊橋署が同医院の竹内稔弘院長と看護師ら3人を名古屋地検豊橋支部へ書類送検したことは、愛知県内の分娩医療機関はもとより、全国の産科医療機関ならびに全国の妊婦に深刻かつ多大な影響を及ぼした。分娩医療機関が激減し危機的周産期医療がさらに悪化することを危惧するものである。

 さて、嫌疑の根拠となった保助看法は昭和23年、家庭分娩(全分娩の97%で、主に助産師によって実施)全盛期にできた法律で、助産師、医師以外の無資格者の助産を禁止するためにできたものである。さらに、医師法にある医療行為の一部である助産行為を、助産師が単独で業として行うことを可能にしたものである。

 近年、98%以上の分娩が医療機関で実施されるようになり、周産期医学の進歩・医療機器の発達、周産期救急医療システムの整備、さらには産科医療機関における医師・助産師・看護師の協力により、世界一の周産期医療が国民に提供されてきた。

 しかるに、平成14年に厚生労働省医政局看護課長通知により、産科医療機関で通常行われていた医師の指示下での看護師による分娩経過の観察(子宮口の開大度と児頭下降度の測定)が禁じられたことにより、分娩ができなくなった産科医療機関が急増し、行き場を失った地域住民に不安と不満をもたらし、今日の周産期医療が危機的な状況になった原因と考えられる。

 保助看法における看護師による補助行為(内診も含む)の解釈も様々であり、厚労省内の「医療安全の確保に向けた保助看法等のあり方検討委員会」でも検討が中断されているところでもあり、日本医師会、日本産婦人科学会、日本産婦人科医会からも種々提言されている状況の中で、看護師の内診行為だけを根拠に。警察の家宅捜査および書類送検が実施されたのであれば、遺憾の意を表明せざるを得ない。

 今般、分娩医療機関が激減し、助産師の絶対数が極端に不足、偏在している状況を十分考慮し、看護師の内診問題だけで警察の医療機関への家宅捜査などが二度と起きないよう、国民とともに安全なお産を守るために、茨城県医師会と茨城県産婦人科医会はともに断固抗議するものである。

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