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保健師助産師看護師法違反容疑による
警察の家宅捜索と書類送検に関する
愛知県産婦人科医会の見解

 

 


保健師助産師看護師法違反容疑による警察の家宅捜索と書類送検に関する愛知県産婦人科医会の見解

                        

平成18年10月30日

愛知県産婦人科医会

                    会長 成田   收

保健師助産師看護師法違反容疑による警察の家宅捜索と書類送検に関する愛知県産婦人科医会の見解

今、日本では周産期医療の崩壊が進んでいる。
過酷な勤務、医事紛争の多発、産科要員などの減少によって、新しく周産期医療を志す医師が激減しているのがその原因とされる。
このような中で、平成18年9月27日、愛知県豊橋市竹内産婦人科医院に警察官30名による家宅捜査が行われた。
容疑は昭和23年に制定された保助看法と厚生労働省医政局看護課長が平成14年と平成16年に通達した内診問題に関する法令違反という。
過去、数十年、多くの産婦人科医師、助産師、看護師のチーム医療の弛まざる努力によって、日本の周産期死亡率は世界最低水準となり、世界一の周産期医療を国民に提供できるまでに至った。
愛知県産婦人科医会も従前より絶対的な助産師不足、産科医師減少の厳しい状況の中、地域の産科医療の充実を図り、母子の健康と安全を確保するため最大限の努力を払ってきた。
しかし、平成16年に厚生労働省医政局看護課長通達が出され、産科医療機関で通常行われていた医師の指示下での看護師による分娩経過の観察(子宮口の開大度と児頭下降度の測定)が禁じられた。この通達は厚生労働省内で検討委員会等での充分な検討を経ずに出されたものである。その結果分娩をとりやめた産科医療機関が増加し、地域住民に不安と不便をもたらし、今日の周産期医療の危機的な状況になったと考えられる。
保助看法における看護師による分娩の補助行為(内診も含む)の解釈は、厚生労働省内の「医療安全の確保に向けた保助看法等のあり方検討委員会」で、平成17年4月より13回にわたり議論が行われ、看護師等の内診問題については、見直し論と反対論、慎重論の両論併記となり、別途、検討会を設けて更に議論することとなった。
日本は法治国家であり、法令順守に国民は重い責務を負っている。
しかし、その法令が長い間の医療上の慣行(看護師の内診など)と社会的情勢(産科医療の崩壊、助産師の絶対的不足)を考慮し、又、日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会などの関係団体との議論を重ね、十分なセーフティネットを構築した上で通知されるべきであると思われる。
このような状況を熟慮せず、看護師の内診行為だけを根拠に、警察の家宅捜査および書類送検を実施したのは、国是とすべき日本の少子化対策に真向から逆行させる責任は重大と考える。
今般、分娩医療機関が激減し、助産師の絶対数が極端に不足、偏在している状況を十分考慮し、看護師の内診問題だけで警察の医療機関への家宅捜査が二度と起きないよう、国民とともに安全なお産を守るために、愛知県産婦人科医会は断固抗議するものである。

 

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